土から掘り出すじゃがいもは、根のように見えます。けれど、食べている部分は根ではありません。
じゃがいもは、地下に横へ伸びる茎の先が太ったものです。表面の「目」にも、葉と芽がつく茎の構造が残っています。 育つ場所が土の中でも、植物のどの部分からできるかを見ると、根と茎を区別できます。

この記事では、植え方ではなく、じゃがいもが茎である理由と、地下で太る仕組みを見ます。
新しいじゃがいもは、地下へ伸びた茎の先にできます
じゃがいもの株には、根だけでなく、地下を横へ伸びる茎もあります。この横へ伸びる茎を「ストロン」といい、先が太った部分を「塊茎(かいけい)」と呼びます。食べるじゃがいもは、この塊茎です。
図1では、植えた種いもを「母いも」として、新しいいもから分けています。母いもの芽から育った茎の地中部に、根とストロンが伸びます。母いもがそのまま大きくなって収穫物になるのでも、細い根の先がじゃがいもになるのでもありません。
花の後に地上でできる実も、食べるじゃがいもとは別です。地下の茎の先にできる塊茎と、花の後の果実を混同しないことが、株の姿を理解する出発点です。
じゃがいもの「目」には、茎にある芽の位置が残っています
じゃがいもの表面にある、芽の出るくぼみを「目」と呼びます。一つの目には、複数の芽がまとまってあります。
普通の茎で、葉がつく位置を「節(ふし)」といいます。じゃがいもの目は、この節に対応する位置です。丸く太っていても、葉と芽がつく茎の構造が消えたわけではないのです。
表面を詳しく見ると、小さな葉に対応する弧状の部分と、その付け根の芽が並んでいます。その並び方は、いもの表面をらせん状にたどります。地下の茎の先からできることと、表面に残る葉・芽の位置を合わせると、じゃがいもが茎である理由が分かります。

じゃがいもは、葉から届いた糖を蓄えて太ります
地下の茎の先が太る材料は、地上の葉からも届きます。葉は「光合成」、つまり光を使って糖などを作る働きを行います。
葉で作られた糖の一つ、ショ糖は、植物の中の「師部(しぶ)」という通り道を通って、発達中のいもへ運ばれます。いもでは、受け取った糖をもとにでんぷんが作られ、蓄えられます。
その間、いもを作る細胞が増えたり、大きくなったりして、茎の先が膨らみます。葉から届くものは糖で、いもの中に蓄えられるものの一つがでんぷんです。 葉でできたでんぷんの粒が、そのまま地下へ流れるという意味ではありません。

じゃがいもは、蓄えと芽を備えて次の生長につながります
食卓では、じゃがいもを食用のいもとして見ます。植物にとっては、養分を蓄え、次に茎や葉を育てる芽を持った器官でもあります。
いもがストロンから離れた後も、蓄えと芽は残ります。条件が整うと、目の芽が伸び、新しい茎と葉へ育ちます。この役割も、じゃがいもがただの丸い塊ではなく、植物の生長につながる部分であることを示しています。
ただし、芽が伸び始める時期や条件は一律ではありません。ここでは器官の働きを説明しており、家庭で発芽させる方法や、保存条件を示しているわけではありません。

「根菜」という名前でも、食べる部分が根とは限りません
じゃがいもが茎なら、「根菜」と呼ぶのは矛盾でしょうか。根菜は、野菜として使う地下の貯蔵器官をまとめる呼び方でもあり、食べる部分がすべて根という意味ではありません。
| 食べもの | 太って食用になる部分 |
|---|---|
| じゃがいも | 地下に伸びる茎の先 |
| サツマイモ | 根 |
表の根拠:福岡教育大学の植物形態教材「地下貯蔵器官と栄養繁殖」。公表年月未確認、2026年10月1日確認。ここでは器官だけを比較しています。
注意したいのは、「芽が出るなら必ず茎」という見分け方も正確ではないことです。太った根であるサツマイモからも芽が育ちます。じゃがいもでは、芽があるという一点だけでなく、ストロンとのつながりと葉・芽の位置を合わせて見ます。
じゃがいもは、地下の茎が芽と蓄えを備えた姿です

じゃがいもは、地下を横へ伸びるストロンの先が太った塊茎です。表面には、茎の節に対応する目と芽が残っています。葉から届く糖をもとにでんぷんを蓄え、芽は後に新しい茎や葉へ育ちます。「土の中にあるから根」ではなく、茎の先にでき、茎の構造を持っているから、じゃがいもは茎なのです。
参考・出典
栽培から収穫・出荷までの作業を見たい方は、じゃがいもはどうやって作られる?種いもから収穫までを図解で全体の工程を確認できます。
本文は原典をもとにした編集上の説明で、圃場取材や実験の報告ではありません。図はAI生成の説明用模式図で、実物や圃場を撮影した写真ではありません。
- 農林水産省:ジャガイモができるまで — 地下の茎・ストロン、花後の実。公表年月未確認、2026年10月1日確認。
- 福岡教育大学:地下貯蔵器官と栄養繁殖 — 葉と芽の配列、母いも・新しいいも、根菜・サツマイモ。公表年月未確認、2026年10月1日確認。
- NC State Extension:植物学の教材 — 原題3.Botany。Underground StemsとStemsの目・芽・節の説明。日本語リンク名は内容説明。公表年月未確認、2026年10月1日確認。
- Hastilestariら:葉といもの糖輸送を扱う研究 — 2018年6月5日公開。Introductionの生理学的背景を参照。高温試験の数値は一般化していません。2026年10月1日確認。
- FAO:じゃがいもの形態と生育 — 2008年の国際ジャガイモ年資料、The tuberの貯蔵と芽を参照。日本語リンク名は内容説明。2026年10月1日確認。
編集・図解:best earth編集部。アイキャッチはAIによるイメージです。本文図は記載した資料をもとに、AI画像生成で絵と短い日本語を一体作成し、編集部が文字・順序・因果関係を照合した概念図です。実在する人物・農場・企業・商品を再現した画像ではありません。

