いちごの表面に並ぶ小さな粒。種が外側に付いているように見えますが、粒の正体は何なのでしょうか。
表面のつぶつぶは一つひとつが小さな果実で、本当の種はその内側にあります。赤い食べる部分は、花を支える土台が膨らんだものです。 「つぶ」「中の種」「赤い部分」を分けると、いちごの姿が花の構造とつながります。

いちごのつぶつぶは、中に種を包む小さな果実です
表面の小さな果実を「痩果(そうか)」と呼びます。普段は粒全体を「種」と呼びがちですが、植物の部位としては、外から見える小果実と、その内側にある種を分けます。
つまり、種が赤い部分からむき出しになっているわけではありません。種を包んだ小さな果実が、赤い部分の表面に並んでいるのです。

いちごの赤い部分は、花を支える花托が膨らんだものです
いちごの花を支える土台を「花托(かたく)」といいます。「花床(かしょう)」という呼び名もあり、農水省の解説ではこちらが使われています。茎の先にあるこの部分が大きく膨らみ、私たちが食べる部分になります。
見た目では赤い部分が大きく、つぶつぶはごく小さな付属物に感じます。しかし、植物の部位は大きさではなく、花のどこからできたかで区別します。小さなつぶが果実で、大きな赤い部分は花托です。

花の子房は小さな果実に、胚珠は中の種になります
花の雌しべの根元には「子房(しぼう)」があり、その中には種のもとになる「胚珠(はいしゅ)」があります。通常の果実形成では、子房が果実へ、胚珠が種へと発達します。
いちごでは、一つの花に多くの雌しべがあります。それぞれの子房が小さな果実になるため、花托の表面に多くのつぶが並びます。花の各部位と、後に見える部位を対応させると次のようになります。
| 花にある部分 | 発達後のいちごで対応する部分 |
|---|---|
| 雌しべの根元の子房 | 表面に並ぶ小さな果実(痩果) |
| 子房の中の胚珠 | 小さな果実の内側の種 |
| 花を支える花托 | 膨らんだ食べる部分 |
表の根拠:バーモント大学「Plant Life Cycle: Fruits and Seeds」の果実・種子の基本過程といちごの図、および農水省のいちごの形態解説(2026年10月1日確認)。正常に進む発達の模式的な対応で、すべての粒に成熟した種が必ずできるという保証ではありません。

いちごの「集合果」と「偽果」は、違う点を説明する言葉です
部位の対応が分かると、「いちごは集合果」「いちごは偽果」という二つの説明も整理できます。どちらかだけが正しく、もう一方が間違いという関係ではありません。
| 呼び名 | 何に注目した言葉か | いちごの場合 |
|---|---|---|
| 集合果(しゅうごうか) | 一つの花からできた小果実の集まり | 多くの子房からできた痩果が集まる |
| 偽果(ぎか) | 子房以外の花の部分も構成に関わること | 花托が大きく膨らむ |
集合果は「小さな果実がどう集まったか」、偽果は「花のどの部分が関わるか」を説明する名前です。「偽」は食べ物の品質や本物らしさの判定ではありません。
いちごのへたは、花のがくが残ったものです
最後に、緑のへたも花へ戻して見てみましょう。葉のように見えるへたは、花にある「がく」が残ったものです。赤い部分、つぶ、種だけでなく、へたも同じ花の構造につながっています。

苗から収穫までの栽培は「いちごはどうやって作られる?」で確認できます。表面のつぶの正体は小さな果実、種はその中、赤い食べる部分は花托。いちごは、花托の表面に多くの小さな果実が集まった姿なのです。
参考・出典
- 農水省「いちごのあれこれ豆知識」(2019年12月、つぶ・種・花床の解説、2026年10月1日確認)
- バーモント大学「Chapter 6: Plant Life Cycle: Fruits and Seeds」(公表年未確認、PDF3〜4・7・16ページの果実・種といちごの構造を参照、2026年10月1日確認)
- JA全農ふくれん「いちごのいろいろ」(「ツブツブは種?」の形態用語のみ参照、他の統計・歴史記述は本稿で利用していません。2026年10月1日確認)
- Cal Poly Strawberry Center「Test your strawberry anatomy skills, Part 2」(大学ニュース一覧に2023年8月29日表示、がくの構造を参照、2026年10月1日確認)
編集・図解:best earth編集部。アイキャッチはAIによるイメージです。本文図は記載した資料をもとに、AI画像生成で絵と短い日本語を一体作成し、編集部が文字・順序・因果関係を照合した概念図です。実在する人物・農場・企業・商品を再現した画像ではありません。

