じゃがいもはどうやって作られる?種いもから収穫までを図解

種いもの芽と、地上の葉・地下の新しいいもを描く疑問型編集画
AIによるイメージをもとにbest earth編集部作成。植える種いもと地下で育つ新しいいもは別のものです。模式図で、圃場の記録写真ではありません。

じゃがいもは土を掘って収穫します。では、食べるいもは、土の中でどうやって増えるのでしょうか。

生産者は「種いも」を植えて株を育て、地下に新しくできるいもを土で覆い、状態を確かめて収穫します。その後も選別や貯蔵で品質を整えて出荷します。 植えた種いもが、そのまま大きな収穫物になるわけではありません。

ここでは、畑で販売用のじゃがいもを生産する工程を見ます。家庭菜園の植え方ではなく、生長と生産者の作業をつなぐ解説です。

種いもを植える、株を育てる、いもを収穫する順に並ぶ図
図1:生長と収穫の大きな流れです。植え付けの場面は、土をかぶせる前の種いもを示します。中央では植えた母いもと新しいいもを分けています。作業月や所要日数を示す図ではありません。AIによるイメージをもとにbest earth編集部作成。
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生産者は、種いもの芽から新しいじゃがいもの株を育てます

「種いも」は、植えるために用意するじゃがいもです。通常の生産では、小さな植物学上の種子をまくのではなく、いもにある芽から新しい株を育てます。

生産者は、検査に合格した種いもを用意し、必要に応じて芽の出方を揃える準備をします。北海道のJAきたみらいでは、植える前に光に当て、短く丈夫な芽を育てる工程を紹介しています。

一方、秋植えで種いもの「休眠」、つまり芽が伸びにくい状態が十分に終わっている場合は、この光に当てる準備が不要なこともあります。切って植えるかなども条件に合わせます。種いもの準備は、すべての作型で同じではありません。

種いもの上側の芽から、地上の茎と葉が育つことを示す図
図2:芽から茎と葉が育つ過程に絞った模式図です。根と地下にできる新しいいもは、この図では省略しています。実際の生長速度や種いもの大きさを示すものではありません。AIによるイメージをもとにbest earth編集部作成。

新しいじゃがいもは、地下に伸びる茎の先にできます

芽が伸びて株が育つと、土の中では「ストロン」という茎が横へ伸び、その先が太って新しいいもになります。茎が太った部分を「塊茎(かいけい)」と呼びます。これが収穫するじゃがいもです。

図では、植えた種いもを「母いも」として残し、新しいいもとは分けています。細く枝分かれする根も、横へ伸びる茎とは別の器官です。地下にあるからといって、食べるじゃがいもが根とは限らないのです。

母いも、細い根、横へ伸びる地下の茎とその先の新しいいもを分ける断面図
図3:新しいいもは、地下へ伸びる茎の先にできる部分です。母いもと根を別の位置に示し、引出線で区別しています。器官の個数・寸法・色は模式的な表現です。AIによるイメージをもとにbest earth編集部作成。

じゃがいもの葉が作った糖は、地下のいもへ送られます

土の中でいもが膨らむ一方、地上の葉も重要な働きをしています。葉は「光合成」、つまり光を使って糖などを作る働きを行います。

作られた糖は、茎の中の通り道を通って発達中のいもへ運ばれます。いもでは、その糖をもとにでんぷんが作られ、蓄えられます。葉でできたでんぷんの粒がそのまま流れる、という説明ではありません。

地上の茎と葉を育てる段階と、地下でいもが太る段階はつながっています。掘って見えるいもだけでなく、葉の働きも収穫物を作っているのです。

葉で作った糖が、新しいいもへ送られる流れを示す図
図4:太い矢印と黄色い丸は、糖が移動する流れの説明記号です。実際には植物の体内を運ばれ、いもででんぷんの蓄積につながります。糖が外を流れる様子や、でんぷん粒が葉から移動する様子ではありません。AIによるイメージをもとにbest earth編集部作成。

じゃがいもの土寄せは、育つ場所を確保して光から守ります

畑のじゃがいもの株元には、土が山のように盛られています。株元へ土を寄せる作業を「土寄せ」、技術資料では「培土(ばいど)」といいます。

この作業は、新しいいもが太る場所を確保し、いもを土で覆うために行います。土が覆いになることで、いもに光が当たるのを防ぎます。土寄せの高さや時期を、全国で同じ一回の作業に固定することはできません。

光から守るのは、見た目だけの問題ではありません。農林水産省は、長く光が当たると天然毒素が増えることがあると説明しています。ただし、緑色は葉緑素の色であり、毒素そのものの色ではありません。色だけで毒素の量を判断できるわけでもありません。

土を株元へ盛り、新しいいもを覆って光から守る前後図
図5:断面を見せているため、土の中のいもが見えます。下の場面では新しいいもが土で覆われ、光の矢印は土の表面で止まっています。土を足すことでいもが生まれる図ではなく、作業時期・高さも指定していません。AIによるイメージをもとにbest earth編集部作成。

生産者は、じゃがいもの葉と畑の状態を見て管理します

じゃがいもを植えた後は、土を盛るだけで終わりではありません。生産者は葉や畑の状態を見て、必要な作業を変えます。

生産者が見るもの作業の目的
畑の乾き方・水のたまり方乾燥時は水を補い、過湿時は排水を整える
土にある養分と品種・用途肥料の種類や量を調整する
葉や畑の病気・害虫地域の発生情報も使い、必要な対策を行う

表の根拠:県の普及担当者によるかん水の解説(2022年5月改訂)と農林水産省の生産技術資料(公表年月未確認)。いずれも2026年10月1日確認。水や肥料を全国一律に増やす手順ではありません。

同じ畑に作物を続けて植えることによる病害を避けるため、地域の条件に合わせて別の作物を順に育てる「輪作」も行います。水や肥料は多ければよいわけではなく、土の状態と育てるいもに合わせるものです。

植える季節も一つではありません。長崎県の普及担当者の資料は、暖地での春作と秋作を紹介しています。栽培時期・方法の組み合わせを「作型」と呼び、この記事は共通する流れを説明しています。地域別の暦を一つに揃えたものではありません。

じゃがいもは、試し掘りで状態を確かめてから収穫します

収穫の前には、一部を掘る「試し掘り」で、いもの育ち方を確かめます。地上の葉だけでなく、収穫対象そのものを見るのです。

作型によっては、収穫前に茎と葉を刈り取る「茎葉処理」を行います。JAきたみらいは、茎葉処理と、その後の収穫前に皮がむけにくくなったことを確かめる工程を紹介しています。生産者は葉の自然な黄化だけを唯一の合図にせず、いもの状態と作業条件を確認します。

掘り取りでは、皮むけ・傷・打撲を抑えることも大切です。生産者は土が過度に湿った時を避け、収穫機の設定や速度を調整します。収穫は、土から出すことと、いもを傷めないことの両方を考える作業です。

試し掘りでの状態確認、傷を抑える掘り取り、選別を示す図
図6:収穫前の確認と、収穫・選別で品質を守る目的を模式化しました。実在の機械の操作手順や、取材した圃場の写真ではありません。茎葉の黄化だけを唯一の収穫条件とする図ではありません。AIによるイメージをもとにbest earth編集部作成。

じゃがいもは、選別と貯蔵を経て出荷されます

掘り取ったいもは、そのまますべてを箱へ入れるわけではありません。生産者や選果場は、病気や傷のあるいもを除き、出荷するものを整えます。長崎県の普及資料には、日陰で表面を乾かしてから選別し、選果場へ送る工程が記されています。

貯蔵する場合は、用途に合わせて条件を変えます。食卓向け、加工向け、次の作付けの種いもでは、守りたい品質が異なるためです。農林水産省の工程解説も、用途別の貯蔵を説明しています。ここでいう貯蔵は商業生産・流通の工程で、家庭の冷蔵庫での保存方法ではありません。

じゃがいも作りは、新しいいもを育て、傷めず届ける工程です

種いも、茎と葉、新しいいも、収穫、選別・出荷を順に結ぶ全体図
図7:種いもから株が育ち、地下に新しいいもができ、収穫・選別・出荷へ進む流れです。貯蔵を経る場合の条件は本文で説明しています。生育中の管理をすべて列挙した工程表ではありません。AIによるイメージをもとにbest earth編集部作成。

じゃがいもは、種いもの芽から株が育ち、地下に伸びる茎の先に新しいいもができる作物です。葉が作った糖がいもへ送られ、生産者は土寄せや畑の管理で育つ条件を整えます。最後にいもの状態を確かめて掘り取り、選別と必要な貯蔵を経て出荷します。「種いもから新しいいもを育てること」と「収穫後も品質を守って届けること」が、じゃがいも作りの全体像です。

参考・出典

本文と図は原典をもとにした編集上の説明です。圃場での取材・実験はしていません。図解はAI生成の模式図で、実際の圃場や機械を撮影した写真ではありません。

編集・図解:best earth編集部。アイキャッチはAIによるイメージです。本文図は記載した資料をもとに、AI画像生成で絵と短い日本語を一体作成し、編集部が文字・順序・因果関係を照合した概念図です。実在する人物・農場・企業・商品を再現した画像ではありません。

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この記事を書いた人

best earth編集部のアバター best earth編集部 食べものの疑問を、農業から読み解く編集部

食べものの「なぜ?」を、農業から解き明かす編集部です。公的機関・大学・研究機関などの一次情報を確認し、作り方、育つ仕組み、産地、環境、技術を図解でわかりやすく紹介します。

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