スーパーの玉レタスを一枚ずつはがすと、外側は広く、内側ほど小さな葉が重なっています。では、畑では誰かが葉を内側へ巻いているのでしょうか。
先に答えると、玉になる品種のレタスは、外葉を広げて株を育てたあと、中心から出る若い葉が立ち上がり、内側へ重なって一玉になります。この変化が「結球」です。
外葉がそのまま閉じるのではありません。品種が持つ性質を土台に、葉の成長のしかたと温度・光などの環境が重なって、売り場で見る形ができます。

玉レタスは、外葉を広げた後に中心の若い葉が重なります
玉レタスの苗は、最初から球ではありません。まず外側へ葉を広げ、光を受ける面積を増やします。外葉が作った養分は、根や新しい葉を育てる力になります。
株が育つと、中心から出る若い葉の向きと形が変わります。葉は上へ立ち、さらに内側へ曲がりながら、先に出た葉の内側へ重なります。この重なりが増えると、外からは一つの玉に見えます。
ここで大事なのは、玉レタスの球は一枚の葉ではなく、成長時期の違う多くの葉の重なりだということです。

玉レタスの葉は、部位ごとの成長差によって内側へ曲がります
平らな紙でも、片側だけが大きく伸びれば曲がります。植物の葉も同じで、葉の表裏や中央と縁で細胞の増え方・伸び方がそろわないと、葉面に曲がりが生まれます。
レタスでは、葉の形を決める遺伝子や植物ホルモンが、細胞の分裂や伸長に関わります。ただし、「一つのホルモンが葉を丸める」と単純化はできません。多くの調節が組み合わさり、若い葉の形と向きが作られます。
一般の食卓で押さえるべき点は、遺伝子名ではありません。葉の内側と外側が同じように伸びないため、若い葉が平らなままではなく内側へ曲がることです。

結球するかどうかは、レタスの品種で大きく決まります
すべてのレタスが丸くなるわけではありません。農林水産省は、レタスを大きく、結球性のヘッドレタス、葉が広がるリーフレタス、上へ伸びる立ちレタス、茎を利用するステムレタスに分けています。
売り場で一般に「レタス」と呼ばれることが多い玉レタスは、ヘッドレタスの一種です。一方、サニーレタスのようなリーフレタスは、葉を広げた形で収穫します。育て方の失敗で丸くならないのではなく、もともと目指す形が違います。
レタスが丸くなる最初の条件は、結球する品種であることです。

玉レタスの結球は、温度・光・水分などでも変わります
結球する品種でも、いつも同じ玉になるわけではありません。葉を作る速さ、葉の大きさ、中心葉の重なりは、温度、日照、水分、養分、株間などの影響を受けます。
高温などで花茎を伸ばす「抽苔」へ進むと、食用にする葉の成長とは別の方向へ切り替わります。生産者が季節と地域に合う品種や作型を選ぶのは、葉を増やし、結球しやすい期間を確保するためです。
ただし、全国共通の温度や日数だけで結球を判定することはできません。品種と成長段階で適する条件が違うからです。

玉レタスが丸くなる仕組みを一枚で振り返ります
玉レタスは、外葉で株を育て、中心の若い葉が立ち上がり、内側へ曲がって重なることで結球します。その形は品種の性質に支えられ、環境によって育ち方が変わります。


食卓で玉レタスを切ったとき、葉の層は単なる包装ではありません。株が外で光を受け、中心で次の葉を重ねてきた成長の記録です。
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参考・出典
- 農林水産省 aff「もっと知りたい葉物野菜」(確認日:2026年9月19日)
- Yu et al., Journal of Experimental Botany, 2022(確認日:2026年9月19日)
- Wang et al., Frontiers in Plant Science, 2022(確認日:2026年9月19日)
編集・図解:best earth編集部。アイキャッチはAIによるイメージです。本文図は記載した資料をもとに、AI画像生成で絵と短い日本語を一体作成し、編集部が文字・順序・因果関係を照合した概念図です。実在する人物・農場・企業・商品を再現した画像ではありません。
